王の仕事
映画 英国王のスピーチ を見る
- The King's Speech2010年|イギリス、オーストラリア|カラー|118分|画面比:1.85:1|映倫:G|MPAA: Rスタッフ監督:トム・フーパー製作:イアン・カニング、エミール・シャーマン、ギャレス・アンウィン製作総指揮:ジェフリー・ラッシュ、ティム・ス.. 続きを読む
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この映画は、英国の現在の 王である エリザベス2世の父上であるジョージ6世の話である。
吃音症という 発声時になんらかの問題を抱え、うまく発声できない症状に悩まされる英国王の話である。
物語は、威厳の高い父親である英国王ジョージ5世からの厳しいしつけ、幼い時にうけた乳母からのいじめ、性格が正反対で社交的で、国民からも絶大な人気があったエドワード8世の存在等々の影響を受け、存在感が薄く、弱気で、吃音に悩むジョージ6世が第二次世界大戦によるドイツとの戦争等々、英国が衰退する難しい時代を、国王として、任を果たす話である。
この話の映画化は、長年、ジョージ6世の妻であり、エリザベス2世女王の母親であるエリザベス皇太后が存命のうちは、しないでほしいという英王室からの留保があったらしい。それほど、吃音克服は大変なものだったようである。
だが、内容としてはエリザベス女王も一定評価しているように、戦間期、2次大戦後の英国王室、そして、ラジオというメディアの登場による「言葉」の重要さ(王室もメディアを意識しなければならなくなった時代)、伝統と変化が非常によくわかるものであった。また、その中で、様々な困難を克服しようとするジョージ6世の真摯さ、それを支える妻エリザベス皇后の快活さを垣間見れるものであった。
様々な言語療法士に診察を受けても 一向に改善せず、自信を失うジョージ6世を心配するエリザベスはあることからオーストラリア人の言語療法士ライオネルに助けをもとめる。
治療発話訓練の過程で、ライオネルは皇太子に対してもお互いにニックネームで呼び合うことを求めた。「平民」、しかもオーストラリア人と交流をもったことがないジョージとライオネルは何度も衝突する。
しかし、その間に、ジョージ5世の死後、国王となったエドワード8世は、夫を持つ離婚経験があるアメリカ人女性と恋に落ち、王位を 弟のジョージ6世に譲る。
これ以上は みてないひともいるので やめておきますが・・。
とにかく 興味深かったのは、王室やその周辺の人間たちに対するオーストラリア人への見方や、ドイツの全面戦争になるときの英国民に向けたラジオ演説(吃音を克服する場面として、確か挙国一致内閣成立時だったかな??)、その場にいた海軍大臣チャーチルとのやりとりなど、弱気でありながらも、困難に立ち向かっていく個人が国家の元首となることの大切さをみたような気がした。
そして、なんといっても 「言葉」の力がどれほど重要かである。おそらく当時の英国民はチャーチルという首相、そして、ジョージ6世というひたむきな国王の言葉に心動かされたのであろう。
あと、まあ、一般論だけど、はじめていった外国が英連邦であるオーストラリアだった私にとっては、わりとすんなり入ることができた。王権のことであるとか、英国では王であっても慣習と法によって王位を継承し、全うしなければならない伝統を感じることができた。